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それは、昨年の夏のことだった。洗濯したシーツを抱え、廊下を歩いていたアリエッタは、夏季休暇で帰郷したウルバーノと廊下ですれ違った。
廊下の隅に身を寄せてアリエッタが頭を下げると、ウルバーノは朗らかに声を掛けてきた。
「アリエッタ、新しい遊びを覚えたんだ。今夜、部屋に来れるかな」
ウルバーノはカードゲームが得意だった。子供の頃などは、度々エミリオとアリエッタを誘い、三人で夜通しゲームをしていたものだ。
使用人として身分を弁えるよう心掛けてからというもの、エミリオやウルバーノと話す機会も減っていたアリエッタは、久しぶりの誘いについ嬉しくなって、こくりと小さく頷いたのだった。
まさかそれが、穢らわしい大人の遊びへの誘いだとは思いもせずに。
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