憔悴した心

3/5
前へ
/28ページ
次へ
 その日の俺は体調が優れず、アルバイトを早退した。  アパートに戻り、二階のベランダからオレンジ色の夕日を眺める。  明日から頑張ろう。そう誓っても不安ばかりが頭を過り泣きたくなった。  すると、スマホから軽快なメロディーが流れる……夏奈からだ。  平常心を装ってスマホを手にする。 「久しぶりだね。元気? ちゃんとご飯は食べてる?」 「食べてるよ。それより、何の用だ? いつもメールしてるだろ」 「ご飯食べてるってメールは来てないよ。和也……痩せたよね」  驚いて下を見ると、夕日の色に染まった夏奈の姿があった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加