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かみさま。かみさま。
どこかにいるなら。
ほんとうにいるなら。
この子をどうぞ、お守りください。
この子はだれよりも甘えたで。
素直で、優しくて、寂しがり屋で。
愛情深くて、傷つきやすくて。
そのくせ笑顔を作ることばかりうまくなって。
愚鈍なふりしてにこにこ笑いながら、みんなに隠れてこっそり泣くような。
そんな心もとない子なんです。
私が両腕で抱きしめなくて、だれがこの子を慰めるのでしょう。
かみさま。かみさま。
もしおられるなら。
そばにおられるなら。
この子をどうぞ、見捨てないでください。
どれだけ邪険にあしらっても、駆け寄って追い縋って私の手を握ろうとしたこの子の。
叱られて泣きわめいても、しばらくするとそっと寄り添って来たこの子の。
名前を呼ばれたがって。
私の視線を欲しがって。
懸命に気を引こうとした、この子の。
愛おしさをどうか、見過ごさないでください。
かみさま。
かみさま。
──どうか、かみさま。
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