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「俺、嬉しかったんですよ。早川さんとやりとりするのとても楽しかったし、もっと仲良くなりたいと思ってたから」
コーヒーを一口飲んだ田端さんは、そう言って続けた。
「みちるって呼んでいいかって聞かれた時に、早川さんも俺と仲良くしたいと思ってくれてるのかなって。だから、思い切って今日も誘えたし、先輩のことでしか連絡しずらかったけど、話すきっかけが増えるかもって」
その言葉にハッとする。
下を向いていた顔を上げ、田端さんの顔を捉えて、それからどきりと胸が高鳴った。
「田端さ……満君」
「はい」
「私も、私もそう思ってました。そうじゃなかったら、無意識に電話なんてしない」
満君の顔は、はっきりと分かるくらい真っ赤に染まっていたのだ。
そんな顔をさせている原因が自分にあると分かると、いてもたってもいられなかった。
そして、しまったとその場で固まる。
「無意識、だったんですか?……嬉しい」
顔を見つめたまま固まったから、心底嬉しそうに頰を緩める満君がしっかりと見えてしまった。
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