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校門前に行くともう数人集まっていた。 「おつかれさまでーす!」 俺の後に稜が小さな声で、でーす、と続く。 「二人とも遅かったなー。」 一人の男性がにっと笑った。 「奥の旧第3教育棟だったんすよ。  ”タケ先輩”。」 先輩は、そかそか、と頷き 周りのみんなに、揃ったから行くぞと声をかけた。 背が高くて、黒髪を短くし、シンプルなピアスをしている。 似たような身長の稜の横へ行き、慣れたかと話しかけている。 稜は、そっすねとかしか言わないのに、 さっきの授業って必修の英語だろ?先生の当たり外れクラスによって激しいんだよな とケタケタ笑いながら話を続けようとする。 そんな面倒見の良い人 何でこんな人”彼氏”に選んじゃうんだよ。 (敵わないじゃんか) 俺はぶすりとして皆の後へと続いた。
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