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「さーって、今日も張り切ってやりましょっかー!」 すっかり元気を取り戻した俺は近くの先輩を捕まえて 一番にコートに飛び込んだ。 「稜はさーなんでもできんのねー。」 イケメンで運動できるのはずるいっ 洋二さんが肩で息をしながら呻くように言う。 「とはいっても紀国(きのくに)さんの勝ちじゃないですか。」 稜がタオルを渡しながら言うと 汗かいてないやつが言うな、あと俺四年だから! と洋二さんが怒った風に言って周りに笑いが起きた。 「おつかれさまでーす!」 閉めきった体育館の戸があき 爽やかな風と 俺が待ち望んだ声が聞こえてきた。
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