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「りょーうっ!ノートみーせてっ!」 にへっとウインクしてみせると我が大親友、片瀬 稜はうんざりとした顔した。 「その一言で見せる気無くしたわ。」 持っていたアイスコーヒーをすすると稜はそっぽを向いた。 俺があからさまに落ち込んでいると目の前にルーズリーフが差し出された。 「今日の分。来週は出席とるらしいから来いよ。」 神様仏様りょうさまぁ 有り難くきれいな字で綴られたノートを頂戴した。 五月半ば 四月下旬まででサークル勧誘のお祭り騒ぎが終わり、 ゴールデンウィークがあけると学内の人口は一気に減少する。 これで六月の春の学祭を終えたらもっと減り、 七月下旬のテスト期間前にまた人がうじゃうじゃするというのが大学あるある。
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