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ーーー・・・・・・朝、目覚めればそこに自分の居るべき空間がある。
それは何て素晴らしい事なのだろうか。
例え、その空間が自分にとって不利益であっても良いんじゃないか。
一瞬、そう思えてしまう朝の寝覚めだった。
カーテンから溢れる光りはまだ薄暗く、静かな部屋で目覚まし時計を手に取っても、ベルが鳴った気配は無い。
それもその筈、設定した時刻である六時半よりも一時間早い午前五時半に目覚めていた。
当然まだ陽は昇っておらず、重たい身体を起こしてカーテンを開いても辺りは薄暗い。
ー・・・ホンダ・スーパー・カブに乗る半キャップのヘルメットを被った新聞配達員が小さな排気量のエンジン音を住宅街に響かせて、今朝も朝刊を届けている。
丁度、俺の家の朝刊を届けた頃だろう。
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