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場所は変わり、橙色に染まった公園にて。
何故か「話を聞きたい」と謎の男(変態)に迫られ
加害者寸前という立場上、無下に断る事も出来ず、近場の公園まで案内させられてしまった。
手近な所にあった(外見は切り株を組合わせて造られたように見えるが、材質はコンクリートである)ベンチにヒト1人分ほど空け、コンビニ袋を挟んで座る少年と謎の男。
「……、…………。」
「……………」
男はベンチに座るなり何やら考え込んでしまったので、何が何やら理解出来ていない少年。
半ば必然的に沈黙を貫く2人。
「………あの。」
と、少年が正面を見据えたまま口だけを開く。
「な、何だ?」
「おでん冷めちゃうんで、食べてても良いですか?」
「……どうぞ。」
あのアクションの中で奇跡的に無事だったおでんを頬張る少年と、
気まずそうにそれを見やる謎の男。
さほど時間をかけずに少年が食べ終わり、再び沈黙が訪れ、強い北風が2人の間をすり抜けていく。
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