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「我のこの格好は…この辺りの住民にしてみれば、奇抜では済まぬものであろう?」
「あ、自覚あったんですね。」
「しかし、すれ違う者は皆、我を気にも留めず去ってゆく。
そこで、我は気付いたのだ。そなたらに我の姿は視えていないのでは無かろうか、と。」
「…はぁ。…それで?」
「色々と試した結果、その推測は事実であると確信した。」
「色…ッ、ん"ん…。
…が、しかし。僕には見えているものだから、不思議でならない…と?」
「その通りだ。」
節々に何かしら引っ掛かるものを押さえ込みつつ男の話を聞き終えた少年は、しばらくの間顎に手を当て考える素振りを見せていた。
そして不意に口を開き、
「それ…勘違い、ですね。」
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