1 : きっかけ

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1 : きっかけ

[いつか、どこかの住宅街] ひゅるりと北風の吹く中、時々くたびれた雰囲気のスーツ姿とすれ違いつつ、大きな夕日に向かって歩く少年が1人。 その手にはコンビニの小さめな袋が1つ。 「あー寒…、もうすっかり冬だな…」 小さく身震いをして、少年は呟く。 「早く帰って…こたつでおでん、だな」 休みの日、小腹が空いてコンビニへ。 おでんを買った帰り道。 独り言の量以外何の変哲もない、現時点では名前すら貰えないモブ少年Aが "物語の主人公"に成り上がっていく未来なんて、 誰が想像できただろうか。
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