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3.百合菜
さすが、業界トップのIT企業。英語ぐらい誰でも読み書きできるということなんだ。
「松岡君ってみんなとつるむの好きじゃないんだ・・・」
百合菜は、少し悪戯っぽく目を細めて俺の顔を覗き込んだ。
「まぁいつまでも学生なわけじゃないし。大体、この研修だって、新入社員研修って言う名のふるい落としみたいなもんだろう。
会社に入るまでは一緒でも、すでに将来に向けたスタートは切られているってことだ」
「出世レースの?」
「まぁね。出世だけが人生じゃないけどね。」
「ふぅ~ん。確かに研修中、何度か試験とか、ディスカッションとかディベートとかするじゃない?あれで適正を見て、
最初の勤務地とか事業部とか振り分けているみたいだしね。」
「松川さんだっけ?」
「違うよ。松井百合菜」
「ごめん、ごめん。俺、人の名前を覚えるのが、苦手で」
「人の名前を覚えるのが、苦手だったら営業マンは勤まらないよ。それに総務、人事系も無理!」
「いや~仕事になればきちんとできるよ。」
「さぁどうだかwww私はね、この会社に入ったのは、きちんと女性でもやれば認めてくれるから。
私は、まず、管理者を部下に持つ管理者になる。」
「ってことは部長か」
「まぁね。とりあえず・・・だけど」
というと百合菜は軽くウィンクをしてみせた。
**4.晴美へ続く**
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