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青子さんという名前らしい彼女はハッとして、僕の側に来た。
少年は、そのすぐあとにくっついている。
「失礼しました、赤木さんですか?」
「あ、はい」
僕が頷くと、彼女はニッコリ微笑んだ。
「お待ちしてました、ご相談ですよね。
こちらに、どうぞ」
青子さんについて、僕は会議室と書いてある部屋へ向かった。
後ろから、少年が誰かと話しているのが聞こえた。
「何だよ、もうー」
「お前、赤木さんと知り合いなのか?」
「別にー、違うけど」
「やっぱそうか、何だあの態度は。
近頃はだいぶマシになってきたと思ってたのに」
僕は会議室に入ったので、それから先の少年の反論は聞き取れなかった。
促されるまま僕が椅子に座ると、まもなく誰かが入ってきた。
さっき少年を叱っていた“オヤジ”と言われていた人だろう。
似ていない気もするが、親子なんだろうか。
そして、その人は僕の向かいの席に座った。
「はじめまして。
小谷法律探偵事務所、探偵部門の白田です。
先程は、ウチのものが失礼しました」
白田さんはそう言うと、頭を下げた。
中年というか青年にも見える彼は、高校生の親にしては若いように思える。
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