小谷法律&探偵事務所

5/7
前へ
/669ページ
次へ
「あ、いえいえ、気にしないでください。 あの、案内してもらったし、取り次いでくれたし。 もう、ホントに」 年上の人に、こんなに潔く謝られるとこちらが恐縮してしまう。 僕の言葉に白田さんは、人好きのする笑顔を見せた。 僕は何となく、あの返信メールはこの人が書いたんだろうと思った。 英太郎さんに紹介されたのもあるけど、僕はあのメールでここに決めた。 少年が少しくらい生意気でも、この人に相談しようと改めて思った。 「ありがとうございます。 では早速ですが相談内容の確認と、こちらの」 白田さんが言い終わらないうちに、ドアを開ける音がした。 部屋に入ってきたのは、さっきの少年だった。 「失礼しまぁす、お茶でぇす。 あ、青子さんは座ってていいから。 お茶、冷たいのでいいよね」 少年は青子さんに笑いかけると、僕の前にグラスを置きながら言った。 白田さんが、少しガックリしながら軽く溜め息をついていた。 「何だよ、暑いんだから冷たいのがいいだろ。 アンタ……赤木さんも、そう思うよね」 「えっ」 「外暑かったし、まだ汗ひいてないじゃん。 冷たいのがいいだろ、ね」 「あぁ、はい」
/669ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加