少年

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では僕は19だから、どちらにしろ彼の方が年上なのか。 なんて考えていると、会議室から出てきた白田さんが呆れた様子で溜め息をついた。 「こら志郎、お前何やってんだ?」 すると志郎君は明らかにビクッとして、焦ったようだった。 「あ、あの、ボス。 えと、これはですね」 「あー、もういいから仕事に戻れ。 ったく、しょうがないな。 それから、アレは忘れてないだろうな」 「いえ、はいっ、あの、出しときますっ」 志郎君はカバンを掴むと、僕に一礼をして早歩きで出て行った。 「あはは、志郎、競歩みたいになってる。 いつもならバタバタ走って行くのに、客がいるから気取ってんのかな」 愉快そうに言う実君を見て、白田さんが小さく肩を落とした。 「気取ってるんじゃなくて、気遣いだろ。 お前はいい意味でも悪い意味でも、本当マイペースだよなぁ」 実君は、また白田さんを無視して僕を見た。 「ところでさぁ、やっぱ依頼って親探し? 前にテレビでさぁ“本名でアイドルしてるのは、有名になったら親が名乗り出てくるかもしれないから”って言ってたよね。 なかなか売れないから、とうとう探偵に頼みに来た?」 彼の言葉は図星だった。 僕は愛想笑いになっていた。
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