収録ダルい

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それも、まあ慣れたっていうか諦めたって感じだけど。 「お疲れ様です」 英太郎さんは“特にスタッフには、しつこいくらいに挨拶をしろ”って、うるさい。 仕方なく周りにしつこく挨拶をして、僕は足早に楽屋に向かった。 「テレビに出たいからって、話盛りすぎ」 「収録終わっても陰気って。 キャラ作ってるんだろうけど、必死さがイタイんだよな」 僕の耳にギリ聞こえるように誰かが陰口を言っているけど、これもいつもの事。 はっきり言って一応やる気はあったんだけど、実際にはヨロヨロだった自覚はある。 でも、そんな僕を“必死さがイタイ”と思ったのなら、仕事を頑張っていたように見えたのかな。 僕は自分でも体力はある方だと思うし真面目に取り組んでるつもりだけど、テレビの収録って何故か疲労感がすごい。 もちろん出演者達の態度は嬉しくはないし、最初の頃はムカついた。 でも事務所(特に英太郎さん)にスルーしろって言われてるし、いちいち反応するのもダルいから無視して僕は歩いた。
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