03.

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先輩がこの学校にやって来て、1週間。 あの日、花保ちゃんから私の話を聞いたからか、それで同情したからなのか、それとも何も意味なんてないのか。 昼休みに私がここへ来ると、いつも先輩が居るようになった。 「“おかえり”って、なんですか……」 体育館で倒れてしまった日の翌日から、今日まで。 この時間は毎日、先輩と顔を合わせている。 あ、と口を開けてあんパンをかじる先輩。 「なんほなく」 「……」 “おかえり” なんだかしっくりくるのは、昼休みが終わってここから出る瞬間、教室に行ってくる、っていう気持ちになるから。 だからここへ来ると、ただいま、って気持ちになる。 行ってきます、ただいま。 私にとって保健室は、そんな場所。 「内宮さん、丁度いいタイミングで来た。なに飲む?」 小さな冷蔵庫の上で、水玉模様の湯呑みにカフェオレを注ぐ花保ちゃんが聞いてくる。 棚にあるポットは、この時期休息中。 「無糖のアイスコーヒー、冷やしてあるけど」 「飲みます」
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