07.

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  空き教室の窓から見える校庭に、秋がやって来た。 背景は赤や黄色に色付いて、カーテンから透けて入る日差しも柔らかくなった。 ――ガヤガヤ 秋の恒例行事、文化祭が始まって3日目の昼。 夏休みが明けて準備をしてきた文化祭も、今日で終わり。 私は寂しいと思わないけれど、楽しそうにしている周りのクラスメイトはどこか名残惜しそうだった。 「――あれ、クラスにいなくていいの?」 向かいの校舎の教室の前まで来た私は、表情崩さず顔を出してきた先輩に言われてしまう。 クラスに、いなくて、いいの? 私の記憶が正しければ、さっき先輩からメールがきて、“先輩に”ここまで来るよう言われた筈なのだけれど。 「一昨日と昨日レジ係したから、最終日くらい校内見て来いって……担任が」 「2年はフリマやってんだっけ? で、1人でこっちの校舎まで来て、風花は何してんの?」 “手があいたらこっち来いよ” 先輩からのメールには、そう書いてあったような。 見間違えたのかな。うん。 「戻る」 「あ、待って。うそ、冗談、ごめんなさい」 真面目な声で謝ってくる先輩にがっしり肩を掴まれて、私は足を止める。 「ここまで来てくれて、ありがとな」 先輩がいる校舎に1人で来れたのは、やっぱり、先輩が開けてくれたピアスのお陰だ。
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