07.

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そっか、と流れる雲を追っていると、今度は先輩が聞いてくる。 「お前は?」 「私は……分かんない」 「何それ」 「うん。私も分からない」 今まで私は、最低でも先輩と会うまでの私は、もう誰も好きになんてならないと頑なに思ってた。 今は、子供染みたこと言ってたなぁ、と少しだけ思う。 そう思う私は、あの日から進めているのかな。 学校の帰り道、手を繋いだカップルを見ても恋しいと思わない。 私の手の平に風がすり抜けていく感触に、寂しいと感じることもない。 でも今、例えば傍にいる先輩の、茶色い髪は柔らかいのかな、とか。 喉仏や、私にはないゴツゴツした身体中の骨に……触れてみたい、とか。 もう嫌だとあれほど拒絶していた感情が、ふわふわ胸の中にある。 見ないふりをしているだけ。 あの日の私と今の私が、目に見えないところで闘ってる。
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