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「今までそうして来たんだろ? でも、聞かなきゃいけない声にも耳を塞いできた」 「そうだよ」 「そうやって自分の中に閉じ篭って塞ぎ込んできたんだろうけどさ、結局お前は、周りの声に聞き耳立てて不安がってるよね」 ぎゅうと、膝に掛かっている布団を指先の血が止まるまで握り締める。 「聞かなくちゃいけない言葉には、耳を傾けないくせに」 なんで? 初めて、先輩の声に耳を塞ぐ。 「る……さい」 教室の前で耳を塞いでくれた先輩が、どうして今は、私に耳を塞がせるんだろう。 「倒れるくらいなら、本当に聞かなきゃいけない医者とか先生の言葉をちゃんと聞け」 「うるさい……」 「今日近くで見て分かった。やっぱりお前は、自分で自分を苦しめてるよ。俺に言われなくたって、もうとっくに分かってるだろ?」 「うるさい」 「風花」 「っ……るさい」 頑張ったよ。最初は、こんなんじゃなかった――。
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