08.

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  中学生になって、周りの目を気にするようになって、発作が起き始めた頃。 休み時間になっても席から立たない私に、同じクラスのヒロトくんという男の子が、よく話し掛けてきてくれた。 発作は一度起こると死ぬんじゃないかってくらい苦しくて、嫌だ嫌だと思うほど酷くなる。 周りの人の目が変わった。物珍しい物でも見てるみたいな視線。 クラスの人と、自分から一線を引こうと思った。 ヒロトくんが話し掛けてきてくれたのはそんなことを思い始めた時だった。 本当に、嬉しかった。 ヒロトくんは、私が転校した後もメールや電話をしてきてくれる。 夜、布団の中に入ってメールをしている時。休みの日に電話越しに声を聞いている時。 ヒロトくんが好き、そう思いながら、ヒロトくんの顔を思い浮かべてドキドキした。 だから、 『次の休み会おーよ』 ヒロトくんから電話でそう言われた時は、ドキドキしすぎて胸が痛いくらいだった。 「でも、遠いよ?」 『そうかなぁ。来れるんじゃない?』 あ、私が行かなくちゃいけないんだ?って思うと、どうしようって凄く悩んだけど。 「うん、行く」 次の日曜日に、ヒロトくんに会いに行くことにした。 普段お母さんに“服を買ってほしい”なんてワガママ言わないのに、すぐにお母さんにお願いして、土曜日にはショッピングモールへ連れていってもらった。 新しいワンピース。寒くなってきたからと、厚手のカーディガンも買ってくれた。 買い物をしている間、人の声や店内放送、店内に流れる音楽で周りはとても賑やかなのに、珍しく息苦しいと思うことはなくて。 なんでか横にいるお母さんは、にこにこ嬉しそうだった。
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