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車が通らないからって道端の真ん中で声を大にして言い合う私達は、それでもしっかり手は繋いでて。
ふと、何やってるんだろうと我に返る。
「先輩がウジウジするからでしょ……」
「してない」
「してた」
半分笑いながら私が言うと黙る先輩は、ぐるぐるに巻いたマフラーに口を埋めてしまう。
「さっき、授業中に考えてて思ったんだよ」
声がこもって、ちょっと聞こえにくい。
「俺らみたいに苗字が同じなのが結婚した場合、風花は名前変わんないなって」
この人、突然なにを言い出すんだろう。
「そうなりますね……」
突拍子もない言葉に敬語になってしまう。
「だからー、お前はそういうの気にしないの?」
「う、ん。あんまり気にしたことがない……」
ていうか。
「え、私達結婚するの?」
「例えばの話だろ」
「例えば、ですか」
じっと無言で見つめると、ちらりと視線を横に流してくる先輩。
ズズズ、と鼻先もマフラーに埋もれる。
「見んな」
「……」
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