巣くうものたち

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 店を出た俺が彼女の手に触れると、指を絡めてきた。体を引き寄せて唇を重ねようとしたら、薄く笑って目を閉じた。  これって、間違いなくイケるよね?  路地で軽いキスを交わしたあと、俺は彼女の手を引いて、繁華街の外れにあるホテルへ向かった。  ホテルの部屋へ入るなり、さっきまでの大人しい姿が嘘のように、女は激しく俺の唇を求めてきた。何度も激しいキスをしてから、女の唇は下へと這っていく。  俺は目を閉じて、その柔らかな感触を楽しんでいた。だが、女の唇が俺の首筋に達した瞬間、鋭い痛みを感じたんだ。  それからすぐに、俺の意識は薄れていった。そして気がついたときには、ホテルのベッドで横たわっていた。  あの女の姿は、もうどこにもなかった。
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