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「…ねぇ……試してみない?」
「…試すって……何を?」
そう聴いた俺の肩を押して……床に組み敷くアイツ……
目の前に、無駄にイケメンのアイツの顔……
……何だ……これ……?
何で……俺が……押し倒されてるんだ……?
驚きで目を見開いたまま……アイツを見上げることしか出来ない……
起き上がろうにも、しっかり肩を押さえつけられ……更には俺の上に馬乗りになるアイツ……
これじゃ……まるで……『ナニ』する時の体勢……
「……男同志でも……気持ち良くなれるか……試してみない……?俺と……」
……やっぱりかーーー!
「…つーか、何で俺で試す必要がある?……やりたいだけなら、いつも侍らしてる女達とやれっ!」
押さえ付けてる手を、何とか退かそうとしても、びくともしない。
「男同志でって言ったでしょう?イイじゃんイイじゃんっ!減るもんじゃないし!」
「…良くねーよっ!」
女とヤリまくって、充分潤ってるだろうーがっ!
大体、男同志ですることでもなければ……気持ちもないのにすることじゃない。
お前みたいに……誰彼構わず、手出す奴には、理解出来ないかもしれないけどっ!
その誰彼の中に……
俺を入れるなーーーー!
「好きでもない癖に……!」
それまで、いつものニヤケ顔でいたアイツの表情が一変する。
初めて見る……真剣な顔……
「…好きじゃないって……何で決め付けるの?」
……え……?
アイツの空いた手が……俺の唇を指でなぞる。
「…結城の目に……俺を映したい……他の奴に見せる笑顔を……俺にも向けて欲しい……俺を意識させるのに……他の方法が思い付かないんだ……」
…何……言って……
ゆっくり近付く、アイツの顔……
「……蒼……好きだよ……」
……何で……?
何がどうして……こんなことに……?
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