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意味があるとか、ないとか……そんなことも、考えられなくなるくらい……
唇に与えられる熱と……絡まる舌……
飲みきれないふたり分の唾液が、口の端から零れてく……
それさえ……全身を甘く痺れさせる……
「…んっ…ンッ…」
桐生のキス……気持ちいい……
桐生の手が……太股に触れて……
ビクンツ!──と、身体が跳ねる……と、同時に……意識が正常運転に戻る。
……な……何…流されてんの……俺っ……!?
いくら……桐生のキスが気持ちいいからって……
……こんなっ……恋人とするようなキス……
男同志でするもんじゃ……
ちゅっ……と、リップ音を鳴らして離れる桐生の唇……
親指で、口の端から流れた唾液を、拭き取る桐生……
「…ねぇ……試してみない?」
至近距離のまま、問われる。
「…試すって……何を?」
そう聴いた俺の肩を押して……床に組み敷く桐生……
目の前に、腹立たしいほど、無駄にイケメンの桐生の顔……
……何だ……これ……?
何で……俺が……押し倒されてるんだ……?
驚きで目を見開いたまま……桐生を見上げることしか出来ない……
起き上がろうにも、しっかり肩を押さえつけられ……更には俺の上に馬乗りになる桐生……
これじゃ……まるで……『ナニ』する時の体勢……
「……男同志でも……気持ち良くなれるか……試してみない……?俺と……」
……やっぱりかーーー!
「…つーか、何で俺で試す必要がある?……やりたいだけなら、いつも侍らしてる女達とやれっ!」
押さえ付けてる手を、何とか退かそうとしても、びくともしない。
「男同志でって言ったでしょう?イイじゃんイイじゃんっ!減るもんじゃないし!」
「…良くねーよっ!」
女とヤリまくって、充分潤ってるだろうーがっ!
大体、男同志ですることでもなければ……気持ちもないのにすることじゃない。
お前みたいに……誰彼構わず、手出す奴には、理解出来ないかもしれないけどっ!
その誰彼の中に……
俺を入れるなーーーー !
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