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腹を擦り、痛みに悶絶する桐生の下から、抜け出そうとするも……
俺の肩を押さえたままの、桐生の手に……更に力が入る……
痛いくらい……じゃなくて、マジで痛いっ!
「…っ!痛い…痛い痛いっ!いい加減に、離せよっ!」
肩を押さえる桐生の手を、両手で掴んで、何とか退かそうとしても……ムカつくくらいビクともしない……
不意に痛みは消えて、ただ押さえられてるだけになった。
「…蒼……どうしたら信じてくれんの?マジで好きだって言ってるじゃん!」
口調は軽めなのに……俺を見下ろす桐生の目が……真剣で……その目の奥に……灯る赤い火が見えて……熱を感じる……
……目は……口ほどに物を言う……
その目が……嘘を言ってるとは……思えない……
思えないけど……だからって……手放しで進んでなんて……いけない……
俺の中の……桐生への蟠り……
それに……何より……目を背けられないのが……
男同志ということ……
世間には……同性愛者なんて……山のようにいるのかもしれないけど……
そういうのを、否定もしないけど……
2回目の恋が……男なんて……しかも……桐生となんて……
笑えない冗談だ……
桐生だって……
「…桐生、女好きだろっ?選び放題で、ヤリ放題だろ?……そんな男が、男に走る意味が分かんねぇよっ!」
「女が好きって言うより……女の子とエッチするのが好きだっただけ……ぶっちゃけ、エッチが好きなだけ……」
……ぶっちゃけ過ぎだろ……
エッチって……相手が好きだからしたいんじゃないのか?
好きな相手とだから……何度も肌を重ねたいって……思うものじゃないのか……?
繋がりたいと思うのは……相手が好きだから……
「…男に走るって言われたら、誤解が生じるよ……男がいいんじゃなくて……俺は蒼がいい……初めて本気で好きになったのが蒼だから……何もかも欲しいと思ったの……蒼だけなんだ……好きになったのが男の蒼だった……それだけだよ……」
……それだけって……
そんな……何度も好き好き言うなよ……
顔も身体も……火照り出す……
桐生に触れられてる……肩が……一番熱い……
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