第3章 迷走する気持ち

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「…む……無理……」 俺のそのひと言に、桐生の整った眉がピクッと上がる。 「…何が……無理なの?」 「……何がって……そのっ……グリグリ俺の脚に押し付けてくる桐生の……そのデカイのを……突っ込まれるなんてっ……絶対無理っ!大体エッチなんて気持ちよくなるものなのに、痛い思いすんのなんて、絶対嫌だっ!」 絶対拒否だと言わんばかりに、下から桐生を、睨み付ける。 「……キスは良いのに?」 「…それは……痛くないし……」 寧ろ気持ち良かった…… 「……じゃ……蒼が俺に挿れる?」 「…へっ?」 ……俺が……桐生に……? そう言われて、正にそのシーンを頭で想像する。 『…あっあっあっ……蒼っ!…そんなにっ……激しくっ……突いちゃっ……あんっ……だめっ!』 桐生の脚を大きく割開き、俺のモノを桐生の蕾に埋め込み……激しく腰を打ち付ける。 「…だめ?…こんなにっ…きゅうきゅう俺を締め付けて……善がってる癖に?……前だってほらっ……ビンビンに勃って、濡らしてる……気持ちイイんだろっ!」 「…やぁ……言わないでぇ!…あっあっ…もうっ…だめっ!…蒼っ……イッちゃうっ!」 ……ない……ないわ…… 俺の下で、善がる桐生…… ありえねぇ…… 想像しては、いけないものを想像した…… 「…ないでしょ?」 「俺もそう思うよ……よいっしょ……」 桐生が俺の肩の下に、手を入れて……俺の身体を起こし、膝裏に反対の手を入れて……抱え上げる。 急に身体が浮遊して……思わず桐生の首に腕を回す。 ……16年生きてきて…… 初めてお姫様抱っこされた…… 嬉しくねぇ…… 「何すんだよっ!下ろせよっ!俺を女扱いすんじゃねぇっ!」 ジタバタ暴れても、ビクともしない。 「……女扱いなんかしてないよ……風呂上りなのに、ずっと床にいたら、冷えると思ったの…」 だからって、抱え上げることないだろーがっ! 男心が傷付くんだよ…… 「…それにしても……あれだけ食べてるのに……何でこんなに軽いの?……女の子たちが羨ましがる訳だ……」 「…んなこと、知らねぇーよっ!良いから、いい加減にっ……!」 ──ドサッ── 『下ろせっ!』という前に……桐生が俺を下ろした…… ベットの上に……
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