第3章 迷走する気持ち

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俺を下ろしてすぐ、ベットに乗り上げる桐生…… 場所が床からベットに移っただけで……組み敷かれるのは同じ…… 「…そんなに固まらないで……嫌がる蒼を……無理矢理抱いたりしないから……俺が欲しいのは……身体だけじゃないんだ……蒼の全部が欲しい……俺を好きになって欲しい……蒼の中の一番になりたい……」 真剣な顔……真剣な言葉…… ……なのに……俺の身体を弄るこの手はなんだっ!? 「桐生っ!言ってることと、やってる事が違うだろっ!?」 身体だけじゃないって、たった今言ったばかりの癖にっ! 「…んー…だって、好きな子に触りたいのは、男の性でしょ?……最後までしない……蒼が……俺が欲しいって思うまで……我慢する……でも……気持ちイイことはしても、いいでしょ?……」 まぁ……痛くなきゃ…… …つーか、エッチ大魔神の桐生が、最後までしないのを、本当に我慢出来るのか……? 俺が桐生を欲しがるなんて……そんな日……来るんだろうか…… それ以前に……色々論点がズレてる気がする。 「……蒼が……触らせてくれたら……俺すっごーく嬉しくて……テンション上がって……めちゃくちゃ美味しい弁当と、明日の朝飯……張り切って作れるのになぁー……拒否されたら……悲しくて……作れなくなるかも……」 ………桐生くん……何気にそれは……俺を脅してるんじゃ……? 朝ご飯と昼の弁当…… どーせなら、旨い飯がいい…… 「……痛く……するなよ……絶対最後までしないからなっ!」 「了~解!」 そうして食い意地の張った俺は……悪魔の誘いを受けてしまうのだった……
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