某俺様、萌えに想いを(前編)

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 あんたならやってくれると思った、ニヤニヤと口角をつり上げる川島先輩に、イイ性格してると大雅先輩は相手を睨んだ。  褒めるなって、得意気な顔を作る彼女は「あとは」相手だよねぇ、とわざとらしく悩む素振りを見せてくる。  気付かない、俺は気付かないっすよ。  俺には彼女がいるんっす。  攻め女という彼女がいるんっす。  だから俺は気付かないっすよ!    ガタブルの俺に、「おい豊福」テメェ、分かってるよなと大雅先輩がどすの利いた声で脅してくる。 「この俺がこんな目に遭ってるんだ。テメェはどうするべきだ? あーん?」 「あ、俺、鈴理先輩とイチャイチャしたくなったなぁ。キスしたいなー? アハハハ」  「テメェ」鈴理を味方にしようとすんじゃねえぞ、唸る大雅先輩だけど、俺も必死っす!  確かに宇津木先輩には元気になってもらいたいっす。  だけど、だけど、そっちの世界には死んでも行きたくないっす! てか、もっと可愛らしい男の子を選べばいいじゃないっすか!もしくはイケメンを探せばいいじゃないっすか! 俺なんて平凡を選んでも損するだけっす! 損害ものっす!  イチャイチャという言葉にピーンと攻め心が起動したのか、鈴理先輩の心は揺らいだ。 「空からのお誘い」  攻めたい、ああ攻めたい、攻めたいのだよエンドレス。     
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