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あんたならやってくれると思った、ニヤニヤと口角をつり上げる川島先輩に、イイ性格してると大雅先輩は相手を睨んだ。
褒めるなって、得意気な顔を作る彼女は「あとは」相手だよねぇ、とわざとらしく悩む素振りを見せてくる。
気付かない、俺は気付かないっすよ。
俺には彼女がいるんっす。
攻め女という彼女がいるんっす。
だから俺は気付かないっすよ!
ガタブルの俺に、「おい豊福」テメェ、分かってるよなと大雅先輩がどすの利いた声で脅してくる。
「この俺がこんな目に遭ってるんだ。テメェはどうするべきだ? あーん?」
「あ、俺、鈴理先輩とイチャイチャしたくなったなぁ。キスしたいなー? アハハハ」
「テメェ」鈴理を味方にしようとすんじゃねえぞ、唸る大雅先輩だけど、俺も必死っす!
確かに宇津木先輩には元気になってもらいたいっす。
だけど、だけど、そっちの世界には死んでも行きたくないっす! てか、もっと可愛らしい男の子を選べばいいじゃないっすか!もしくはイケメンを探せばいいじゃないっすか! 俺なんて平凡を選んでも損するだけっす! 損害ものっす!
イチャイチャという言葉にピーンと攻め心が起動したのか、鈴理先輩の心は揺らいだ。
「空からのお誘い」
攻めたい、ああ攻めたい、攻めたいのだよエンドレス。
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