18人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
うっ、俺は呻く。くそう、ちょっと可愛いと思うじゃないっすか。世間ではこの状態、一応上目遣いと名目されるんっすけど。
ああっ、ナイスバディっすね。
視線が自然と胸にいく俺もれっきとした男みたいっす。
とか、阿呆なことを思っている場合じゃなく。
「たたた竹之内先輩っ、ご、御機嫌ようっす。えーっと、何か俺に御用でも?」
白々しく質問してみれば、「所有物はな」必ず所有主の側にいないといけないんだ、と先輩はシニカルに口角をつり上げてきた。
美人さんで可愛いのに、口を開けばこれだもんな! 何びとの男も俺と同じポジションに立ったら、こう言うに違いない。
「口を開かなければいいのに!」と。
視線を泳がせる俺は用事を思い出した、と口実を作ってみる。
勿論、逃げていた手前、そんな言い訳が通用するわけもなく、竹之内先輩はそっと俺の両頬を包んで視線を固定。「逃がさない」もう絶対に逃がさない、と大事なことなのか二度も言われてしまった。
困った、嗚呼、豊福空は困ってしまった。
この事態をどう乗り切ろうか!
「竹之内先輩っ、き、昨日の告白のお返事なんっすけど! その、付き合うとか付き合わないとか、その前に、ちょ、このアタックをやめてもらいたいかと…、じゃないとお返事も出せそうに」
最初のコメントを投稿しよう!