翌日はキス一色

13/18

18人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
「あたしはな、空。男にリードされるのではなく、リードしたい女なんだ。今のキスだってリードしただろ?」  つまり男ポジションに立ちたいとはこういうことだと彼女は綻ぶ。  ということは、俺という男は必然的にリードされ……、じょ、冗談じゃないっす! 女性からこんなことされるなんて……っ、だ、大体今のなんっすか!  俺の問いに、「ディープキス」大人のちゅーだと教えてくれる彼女。  鬼なことに、腰を抜かしている男を引き寄せ、押し倒し、見下ろしてくる。 「た、竹之内先輩!」  冗談もほどほどに、引き攣り顔を作る後輩にちょい不機嫌になった。 「頂けないな、空。あたしはあんたを空と呼んでいるのだぞ? だったらあんたはどうするべきだ?」 「え、ど、どうするって」 「分からない悪い子には仕置きあるのみだな」    ニコッと微笑まれて、そのままさっきのディープなんちゃらを仕掛けてくる竹之内先輩。 「んっー!」  ギブギブと地面を叩いて、早々ギブアップをしているというのに先輩は容赦ないキスを送ってくる。  舌が容赦なく口内を荒らし回った。ひぐっ、無理に呼吸しようとしたせいか変に喉が鳴る。上顎を擽られると体が跳ねた。歯列をなぞられる感触は絶句ものである。 (やばいやばいやばい!)     
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加