某俺様、萌えに想いを(前編)

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 だけれど友も心配だし……、それに三次元の彼氏はあたしのものだし。  うんぬん悩み始めた鈴理先輩に俺は内心でガッツポーズ。  鈴理先輩、キスっすよ! あんまり誘わない俺からのキスの誘いっすよ! セックスは駄目っすけど、キスなら好きにしてもいいっすよ!  勝利を掴みかけたんじゃね? と、思った矢先、愉快犯があっという間に彼女を味方にしてしまう。 「鈴理。今さ、攻め女小説、百合子が持ってるんだわ。あんた、読むのが先延ばしになるけどいい?」 「空、ボディタッチならば許そう。キスは駄目だが、ボディタッチは許す。百合子のために一肌脱いでくれ」  しょ、小説に負けた。  攻め女小説に負けちまった、だと?  ががーんとショックを受ける俺を余所に、 「最近の百合子のお熱はあんた達だしね」  頑張ってくれと川島先輩はニンマリ顔でこっちを見る。 「ダイジョーブ。タダとは言わない。百合子を元気付けられたら、あんたにケーキでも奢ってあげるから。しかも二個。悪くない話っしょ?」  この四人の中で誰が悪魔かって、そりゃあ川島先輩に違いない。  □ ■ □ 【放課後・空き教室にて】  宇津木ワールドの住人になりきろう!  Lesson1:まずはどういう世界があるのか知るべし     
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