翌日はキス一色

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 それは許さないと活き活き笑う竹之内先輩は、分からない子には分かるまで仕置きだと本日何度目かのキスを交わしてくる。根っこごと体力を奪われるような、そんなキスに小刻みに体を震わせていた俺は、何度も名を紡いでくる先輩と視線が合ってようやく答えを導き出せた。  息継ぎ間際に小声で紡ぎ返す。「鈴理先輩」と。    大当たりだと一笑する竹之内先輩……、いや鈴理先輩はよしよし良く分かったと頭を撫で抱擁。  肩を上下に動かして呼吸を整える俺は、ぐったりと彼女に身を委ねた。  キスで此処まで翻弄されるとは思わなかった。嗚呼、トラウマになりそう。 「良い子にはご褒美だな」  鈴理先輩はそう言うと、イソイソ俺のネクタイを外し……、ちょ! 「な、何でネクタイを外そうとしてるんっすか! 今、必要な行動じゃないっすよね!」 「お初は服を着たまま良いか? うむ、難易度が高いが、あたしにできないわけがない。努力しよう」  !!!  こ、この人、まさか……、まさかのまさか?!  「え、エッチするつもりじゃないっすよね」震える声音で訊ねれば、「安心しろ」一回で終わらせるから、彼女は爛々な目でのたまった。じょ、じょぉおおだんじゃないっすよ! 「無理っすっ、ムリムリムリっす!」 「無理ではない。あたしがスると言えばスるのだ。 そーれーに? 朝から散々逃げ回ってあたしの手を焼かせたんだ。あたしへのご褒美にもなるんだぞ?」 「得してるのは竹之内先輩だけっす! ……あ゛」     
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