そうだ、あたし達の同人誌を作ろう!

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 残り二つのカップルって……俺達以外にザンネンカップル(自分で言っていてムナイけど)なんかいたか? 俺の知る限り、思い当たる節がないのだけれど。それについて尋ねると、あたし様は指を鳴らした。 「あたし達の友人でカップリングを作るのだよ。早苗×アジ、百合子×エビでくっ付けさせる。これで三つのカップルの誕生だ!」  ぶはっ!  何処からともなく咽る声が二つ。窓側に視線を流せば見事にフライト兄弟が咽ていた。大袈裟に咽ていた。そりゃもう涙目になっていた。  頭上に三点リーダーを浮かべる俺に対し、「ちゃんと二人には許可を得ている」勿論自分達を含む本にするキャラはモデルにするだけで名前はすべて変える。二次元なのだから二人は誰とくっついても良いと言ってくれた。だから安心して短編が書けるとあたし様は背を反った。が、それは先輩側の友人であって俺側の友人については無許可では?  だがしかし唯我独尊、世界はあたし中心に回っている! の、鈴理先輩に常識は通用しない。親しい二人に許可をもらったことで、すっかり書く気満々になっている。 「カップリングの種類は三つ。あたし様×ヘタレで鈴理空カップル。やんちゃ×隠れ泣き虫で早苗アジカップル。電波×中二病で百合子エビカップル。面白いだろう?」  ひ、ひどい! 色々と設定が酷過ぎてツッコむ気にもなれない!     
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