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俺は純粋にカードゲームを楽しめればいいや、と思っていたのだけれど、至らんことを思いついた御堂先輩は次のゲームは賭け事をしようと提案。
ポーカーで互いに体の一部を賭け事に使用し、勝てば負けた者の一部を好きにして良いというもの。
当然俺は大反対。
そんなことすれば誰が泣きを見るか、馬鹿でも分かる。勝手も負けても俺に得はない。あるのは絶対的な羞恥だ。
だがしかし狡い王子はルールを変え、相手の欲しいものを取れることにしようとスマホを起動させ、人を赤面させてしまうとんでも画像を見せつけてくる。
そんなものを画像に収めていたのか、発狂しかけた俺は自分が勝てば画像は消してしまうが良いかと念を押した。
勿論だと笑声を零した王子にまんまと乗せられ、ポーカー勝負に挑んだ。が、俺は賭け事にめっぽう弱い男のようだ。
千行の汗を流しながら持っていたカードを滑り落とす。
御堂先輩を直視すると、ああ、悪魔がいる。腹の底で何を企んでいるのか分からない、王子様がいらっしゃる。
お、俺から何を取るつもりなのこの人!
「まずは、そうだね。声が欲しいな」
「え、あ、こ、声?」
意外なものを指名されてしまった。
先輩なら、もっと、その、あれだ。変なことをしそうだと思ったんだけど。声なら全然平気だ。
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