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ゲームだからと言い訳をして逃げることもできるのに、体が石のように動かない。鼓動だけが忙しなく働いている。
第三ゲームが始まる。
もう既に脳みそが沸騰しかけていた俺は、これで仕舞にしようとスマホに文字を打ち込んで意思表明。
意地の悪い御堂先輩は、ならそれが次のゲームの賭け事だと笑った。
完全に彼女のペースに呑まれている。
ワンペアも揃わない俺は敗北を感じながらカードを見せた。対して、ワンペアが出来上がっている御堂先輩は嬉しそうに次の部分を指名。それは鎖骨だった。
何をされるのか、もう想像しなくとも分かる。
「僕はね。痕を付けることが大好きなんだ。付ける時、豊福は本当に羞恥を噛みしめている顔をする。それが堪らないんだ。ねえ、僕に鎖骨を見せて」
ゲームで勝ったご褒美を僕に頂戴。
彼女は飄々とした口振りで頬を撫でた。自分から鎖骨を見せて誘え、遠回しな要求に気付かない俺じゃない。
声を大にして終わりだと言いたい。
けど、声は賭け事で取られた。今、此処で声を出せば経験上、彼女はもっと意地の悪いことをしそうだ。
まじまじと見つめてくる御堂先輩のために、ゆるりと浴衣を掴み、右の鎖骨を見せるために引き下げる。首を食まれたのは直後のことだった。
そこは対象外だというのに、首筋を舐め上げてくる。
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