その王子、危険につき、悪い子につき

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 「はっ、ぅ」熱っぽい吐息が零れる。長い脚で何処を触っているんっすか。やめて下さいよ。本当に、もう、狂いますから。熱が冷めないじゃないっすか。熱が冷めなかったら、俺は。 「焦らすのも一興。僕は好きだよ。じりじり追い詰められていく君の顔を見るのも。流されまいと縋って、縋って、そしてすべてに流されてしまったら。君の負けだよ。豊福。この勝負、どっちが勝つだろう、ね?」  追い詰められる俺を見て愉しむ王子も大概で悪い子だ。 Fin
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