そのあたし様、獣につき、充電必須

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 その場で尻餅をつくと、首筋を食まれた。痛みが走る。上がる筈の悲鳴は、小さな嬌声と色を変えて俺の口から零れた。 「空」  人に乗っかるあたし様が右の人差し指を唇に当てる。  指をしゃぶる俺が見たいのだろう。趣味が悪い。本当に趣味が悪い。それに乗るは俺は救いようのない変態だ。  「ん」長く細い指を銜える。舌を這わせてやれば、悪戯気に指がくの字に曲がる。中指が侵入すると、舌を挟まれた。二本の指で揉まれる。 「やらしい空」  そうさせているのは誰っすか。  軽く指を吸うと、彼女に暴かれた性感帯の一つに舌が伸びる。「ふぅ」そこまタンマだと指を銜えたまま、あたし様を見やる。止める気がまったくない彼女は実に楽しそうだ。  耳たぶにキスすると、生温かい舌が耳殻をなぞる。  期待で体が震えた。早く触れて欲しいと思う心と、そこに触れないで欲しいと思う心が交差する。  「うぅ?」鈴理先輩の手が人のシャツを捲った。無造作に侵入してくる悪い手が腹部を触り、脇腹をなぞって背中に回る。  油断していたら耳の中で、一番触れて欲しいところに舌が這い、濡れた水音が脳内を支配した。身構えていなかったせいで大きく声が漏れる。     
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