そのあたし様、獣につき、充電必須

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 顔から火が出そうだった。そしていい加減、俺はこの変態染みた指しゃぶりをやめた方がいい。銜えたままだと、口が閉じられないから声が出やすい。  いや、それが目的なのだ。指を出そうとすれば、強引に深く突っ込まれる。危うく嘔吐きそうになった。  ひゅうひゅうと呼吸、我慢できなくなる嬌声、それに歓喜するあたし様が一匹。  「可愛い。空、可愛い」これはあたしの物だと得意げに謳い、彼女は指を口内から引きずり出した。銀糸が指と繋がり、一層卑猥に見える。 「空。おねだりをして見せろ。あたしが教えたんだ。できるよな?」  半ば強制的に仕込まれたと言っても過言ではない台詞に俯きたくなる。  けれど俺は先輩の笑顔が見たくて、結局言ってしまうのだ。 「先輩、ちょーだい」 「何を?」 「貴方をちょーだい」     
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