某俺様、萌えに想いを(前編)

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 胃がキリキリと痛んできた数秒後、「空いますー?」空き教室にひょっこりと客人がやって来た。フライト兄弟の片割れ、アジくんだ。 「アジくん!」  俺は席を立って教室の出入り口に駆ける。邪魔したことを詫びるアジくんは、これから部活のようだ(実はアジくん。ボランティア部に所属している)。  俺を探していたみたいで、見つかって良かったと頬を崩した。  何か用でもあるのか、聞く前にアジくんは「ホラ」と俺の手の上にイチゴミルクオレ(1パック80円)を置いてくる。  瞠目する俺を余所に、「空がなんだか大変そうなことをしてるって聞いてさ」元気付けに差し入れを持って来たと話す。   「帰りのSHRでお前、スゲー泣き言を言ってたし、これでも飲んで元気出せよ」 「あ、アジくん」 「まあさ、前向きに考えて先輩達から頼られている。イコール、それだけお前はイイ男だってことだ。頑張れよ」  ニッと笑いかけてくれる男前に俺は大感激した。  毎度の如く思うけど、なんでアジくんってこんなに男前なんだ。キング・オブ・男前め。俺のハートを射止めちまってからにもう! 彼は俺の憧れの的だ!  「カッコイイよなぁ」キラキラと憧れの眼を飛ばす俺に、「照れるだろ」でこを突いてくるアジくん。     
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