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「彼女の男嫌いは仕方がないっすよ」
簡単に治りやしない。
けれどこうして俺や異性の友人とは接することができている。
今はそれでいいんじゃないかと蘭子さんに伝える。なにより本人がこんなにも嫌がっているんだ。無理やりさせても受ける態度が表に出てしまい師範の方が困ってしまうだろう。
ぶう垂れている御堂先輩の頭を片手で撫で、「まだ提案の段階なんでしょう?」白紙にすることはできないのかと蘭子さんに尋ねる。
「次回の機会で良いと思うんっすよ。それに御堂先輩、お茶が出来ないことはないんっすよ? 俺にお茶を立ててくれましたし」
すっごい苦いけどさ。
その言葉は嚥下し「俺からのお願いっす」、蘭子さんに片手を出す。彼女はやれやれと肩を竦めてきた。
「空さまはお嬢様を甘やかしすぎですよ。以前も似たようなことを仰りました」
「そりゃあ俺は婚約者っすから。彼女の肩を持ってしまいますっす」
すると蘭子さん。
諦めたのか、それともこういう展開を読んでいたのか。
やや表情を緩め、「仕方がありませんね」提案してくださった奥方様には私から話しておきます。そう言って腰を上げて会釈。お茶菓子を持って来させますから、と告げて部屋を出て行った。
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