18人が本棚に入れています
本棚に追加
「センッパイ!」
なんの嫌がらせっすか! 人の腰をお触りするなんてっ。
声音を張ると、「これも癒しになるんだ」とかほざいたよ! さと子ちゃんの前でなに言ってるのこの人くさ!
クスクスと笑声を零すさと子ちゃんの笑顔にも癒されたのか、やーっと御堂先輩が機嫌をなおしてくれた。
寝返りを打ち、一緒に羊羹を食べようとさと子ちゃんを誘っていたのだから。
「あ、その前に」浴衣に着替えよう。ポンッと手を叩き、その場で学ランの上衣を脱ぐためボタンを外しにかかる。俺とさと子ちゃんが驚き返ったのは言うまでもない。
「ちょ、ちょっと待った! なにしてるんっすか!」
「勿論着替えだぞ? あ、さと子。向こうの箪笥から浴衣を取ってくれないか」
「は、はい!」慌てて腰を上げるさと子ちゃん。
俺も腰を上げたいけど、王子が膝に乗っかっているから動けねぇ! だから全力でタンマをかける。
「先輩! 十秒ストップ! 俺の上から退いて下さい!」
「豊福。ストップを掛けた後に退いてと言われても、僕は十秒間、動けないぞ?」
「俺がいる前で着替えないで下さいよ! 俺は男なんっすよ! 異性の前で堂々と着替えるなんてっ、マナー違反っす!」
最初のコメントを投稿しよう!