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いつものやり取りだ。エビくんがいたら、大体ここら辺りで呆れて距離を置いてくるんだけど、気にすることなかれなのが俺達だったりする。
と、此処で俺達の間に割って入ってくるのが川島先輩。
「本多だっけ?」
名前を確認する彼女は、相手に俺の良いところを三つ上げて欲しいと突拍子もないことを突きつけてくる。
キョトン顔のアジくんだけど、「三つですか」うーんっと唸ってニカっと一笑。
「沢山あり過ぎて三つじゃ収まりきれないですよ。まず、努力家でしょ。成績優秀って言われてますけど、それだけ努力しないと成績なんて上位保持できないでしょうし。こいつのノートを見たことあります? すっごいんですよ、事細かにメモってあって。俺には真似できないですよ。しかもそのノートを惜しみなく貸してくれるんだから、心が広いというか。そこがまた良い奴というか」
「褒め上手だな、アジくん」
「本当のことだって。空」
能天気に笑い合ってると、「二階堂。好敵手が現れたよ!」さあ、あんたも口説け、と川島先輩がとんでも発言を投下。
「口説き?」何の話だと目をパチクリするアジくん。教室にいた大雅先輩が勘弁してくれと溜息をつき、「ちょ、」俺は素っ頓狂な声音を上げた。
や、やめて下さいよ、アジくんを巻き込むのは!
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