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こ、これが宇津木ワールドの世界か。かんなりビビッたよ。ちょっとリアルだった……、リアルだったからっ! これからもオトモダチでいられるか不安になったじゃないかよ、アジくーん!
「やっるぅ」
口笛を吹く川島先輩は路線を変更するかと指を鳴らした。
「男前攻めでいってもいいかも。今のシチュエーションなら、百合子も興奮するは間違いないし。ね、鈴理」
「ああ。あたしの好敵手が現れたかと内心驚き返ったぞ。目を瞠る演技力だった。大雅と違って、世の腐の女子をときめかせるシチュエーションだったな。これなら百合子も元気を出してくれるに違いない」
「いやぁ、それほどでも。空も困ってることだし、俺のできる範囲でしたら協力しますよ」
女性二人に褒められて締まりのない顔を作るアジくん。
やっぱり女の子が好きなようだ。二人に褒められて照れている。うん、俺もアジくんとだったら上手くやれそうかも。アジくんに協力してもらおうかな。
俺を含む皆が納得し掛けている中、まったく納得していない輩が一匹。
完全に蚊帳の外に放られていた大雅先輩が、青筋を立てながら椅子から腰を上げるとズンズンこっちに歩んでくる。
「おい」の掛け声と共に大雅先輩は俺の腕を引いて、アジくんと距離を開かせる。
よろめく俺の体を受け止めて、某俺様は超ムキになって怒声を張った。
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