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「よっしゃ。本多も仲間に加えて、ステップアップにいってみよう! 宇津木ワールドは大体把握できただろうから、次は雰囲気作り。あいつがググッとくるようなシチュエーションを作るには、何よりキャラ各々気にしている素振りをみせないと。意識し合うっつーのかなぁ。恋愛にはまず“意識”ってのがポイントになると思うんだよね。ツンデレにはつーんな意識、俺様には俺のもだ意識、意地っ張りにはあいつなんて知らないぜフン! な意識。どれも重要っしょ!」
同調を求める川島先輩に、そうですねぇとメイン野郎二人は力なく返答。途中参戦したサブ野郎は苦笑いで相槌。
彼女の助手は恋愛小説が大好物だから、「意識はメインの一つだよな」大いに納得している。
意見を得られた川島先輩はそうだろそうだろと腕を組んで、満面の笑顔を零すと早速意識し合ってみようと片拳を天高く翳した。ホンットこの人は無茶を言うっすね、イキナリ意識し合えとか無理に決まってるじゃないっすか! ナニをどう意識すればいいんっすか!
俺の場合、「この人カッコイイどうしようドキドキするカッコ棒読みカッコ閉じる」とでも唱えればいいんっすかね!
しかも、
「アジくん、無理に付き合わなくてもいいんだよ。部活に入っておいでよ」
「週に二日しかないクラブみたいな部活だからいいんだよ。来ない奴等多いし。俺、付き添いで入ったようなもんだから。なんかこっちの方が面白そうだしさ」
この状況を面白いなんて言えるアジくんは本当に男前だよなぁ。
肝が据わっているというか、なんというか、主役を買って出てくれようとしたくらいだし。
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