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「あたしに抱きつくなんてそうはないから、体でお誘いをしているのではないかと」
床に押し倒された俺は、「そういう意味でもなくって!」ただ単に彼女に抱きついて恐怖を拭おうとしただけで! と、早口でドッと冷汗を流して弁解。
ほんとっすよ!
べつにヤりたいわけで抱きついたわけじゃないっ、体が反射的に鈴理先輩を求めたというかっ。
いやだけどそれは性欲じゃなっ~~~~!!!
「やっ、だぁ。せん、」
うぐむぐ。舌が絡み付いてうまく喋れな……。
「こらぁあ! そこ、宇津木ワールドから攻め女ワールドを展開してるんじゃないっ……、鈴理、あんた我慢を覚えろっつーの!」
ギャンギャンと騒いでいる川島先輩と、溜息をつく大雅先輩に明後日の方向を見ているアジくん。
俺はといえばディープキスを仕掛けてくる彼女にギブアップの意味を込めて、床をバシバシと何度も叩いていたのだった。
閑話休題。
ゴホンと咳払いする川島先輩は、俺の高所恐怖症をダシにしようとした自分が悪かったと素直に謝罪。
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