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「それってどういう意味ですか? 俺のことを好きってことですか?」
「……、べつにそうは言ってねぇけど」
「じゃあどういう意味ですか? はっきりしないと、俺、変に期待しますって」
ジトーッとアジくんが相手を見据える。
「俺は貴方のこと好きですけど」
真剣に男前に告白してみせるアジくん、何故か大雅先輩の方が追い詰められていた。
千行の汗を流し、一つ深呼吸。タンマだと制すと相手の胸倉を掴んで大きく揺する。
「テメェはどーして野郎相手にも男前になれるのか意味不明なんだが! 俺よりカッコ良く決めるなんざ、腹が立つぞ! 俺よりも目立つんじゃねえ!」
「えぇええ、だって二階堂先輩。ゼンッゼンそういう攻めていく空気を出さないから、てっきり受け身側に立ちたいのかと」
「男相手にノリノリで攻めたいなんざ思えねぇえよ! 寧ろ、ずっしり心構えができているお前が異常だ!」
男前に嫉妬している某俺様の様子に川島先輩は、やっぱり無理かと肩を落とす。
「あれじゃあ俺様受けだしね」
彼女の言葉に、ゾゾッと身を震わせた大雅先輩は主役チェンジだと申請してくる。
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