某俺様、萌えに想いを(前編)

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 なんとも頼もしい限りっすけど……、そこまで片意地張ってやるようポジションでもないと思うっすよ。俺、アジくんとだったら上手くやれそうだし、身を引くってことも人生に置いて大事だと思うっす。  「大体なぁ」テメェ等のアドバイスが悪い、そうのたまう某俺様はなんと責を相手になすり付け始めた。これぞ俺は悪くねぇ戦法だろう。  アドバイスが悪いんだと腕を組んで、大雅先輩はつーんとそっぽを向いてしまう。   「なんでそういうところだけ俺様なわけ? ……ったく、メンドクサイ奴」  川島先輩は憮然と肩を竦める。ご尤もっすね。 「あーん? あれやこれや指図してるテメェ等が悪いんだろうが」 「あんたが攻める度胸もないから悪いんだっつーの」  うぐっ、言葉を詰まらせる大雅先輩だったけど、「指図の仕方が悪いんだよ!」引くに引けなくなったのか、全力で女子群のせいにする。  んでもって、もう指図は受けない。女子の意見を聞きながら動くなんて性に合わない。寧ろ、変に動かされるなんて真っ平ご免だと鼻を鳴らした大雅先輩は、自分達で宇津木ワールドを作り出してやると宣言。  瞠目する川島先輩と鈴理先輩は揃って噴き出し、ムリムリと手を振った。  ただでさえヘタレの萎えばかりが発生しているこの事態、野郎だけで宇津木ワールドを作り出そうなんて不可能に近いことだと口角をつり上げた。     
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