某俺様、萌えに想いを(前編)

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  えぇえっと完全に馬鹿にしている表情だと読み取れるわけだけど……、大雅先輩もそれを読み取ったわけだけど……、ど、どうしよう……、負けん気だけはこの人、鈴理先輩並みに強いからっ。  俺は恐る恐る大雅先輩を一瞥、半泣きになった。  顔つきが勝負モードになってるっすっ……、大雅先輩の闘争心に火が点いちゃったっすよ!  頼みますからこれ以上話を拗らせ「豊福。行くぞ!」ご指名きちゃったしさぁ。  おずおずと相手を流し目にすると、鞄を持たされた上に襟首を掴まれて引き摺られる。  もう女子の助言なんて絶対に聞かないと開き直った大雅先輩は自分達で勉強をしてくると、大変なことをのたまった。  え、それって俺と貴方様で勉強するんっすか?!  何処で?! どーやって?!    ズルズル引き摺られる俺は彼女達に、否、アジくんにSOS信号を出した。  慌ててアジくんは荷物を持って俺達の後を追ってきてくれたけど、ニヤリニヤリとあくどい顔を作る女子二人は楽しみにしているからと手を振るだけ。助けてくれる素振りはない。  そんな殺生な鈴理先輩っ、仮にも俺は貴方様の彼氏なのにぃいい!  「鈴理先輩酷いっすよー!」俺の嘆きを聞いた大雅先輩が、「今のテメェのお相手は俺だっつーの!」女子に頼るなと怒られてしまった。  グズッ、どーしてこうなっちまうのかなぁっ。     
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