某俺様、萌えに想いを(前編)

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「んー、資料を探すってのも難しいですね。やっぱり俺と空が萌えーなことをしてみますって、二階堂先輩。そっちの方が手っ取り早くありません?」  ここでアジくん、資料探しに飽きて大雅先輩に物申した。   「るっせぇよ。俺と豊福で決定事項だ」    フンと鼻を鳴らす某俺様はグダグダ言わずに資料を探せとご命令。  「だけど」後頭部を掻くアジくんは、どれを資料にすればいいか分からないと吐息をつく。 「じゃあ俺と二階堂先輩は?」  アジくんの閃きを一蹴する大雅先輩は、あくまで俺様が出しやすい俺とのペアではないと駄目だと言う。  俺様攻めが宇津木先輩の大好物らしいからな、それで通したいんだろう。  するとアジくん、自分が俺様になれば良いのだと頓狂な閃きをした。   「これから俺、空に俺様な態度を取ります。彼の彼女みたいな態度をすればいいんでしょ? それでいきましょうよ」 「あー? 却下だっつーの。テメェが俺様になれるわけがねえ。あ、こら豊福。テメェ、まさか他の男に目移りしようとしてるんじゃないだろうな? あーん?」  ギクリッ、俺は肩を震わせた。  正直なところ、ちょっぴしアジくんがいいと思っている俺です。だってアジくんとの方がやりやすいんですもの。     
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